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東アジア通貨バスケットの経済分析

東アジア通貨バスケットの経済分析

    通貨危機のメカニズム
    本報告書では、最初に通貨危機の発生のメカニズムと危機防止政策について基本的な考え方を紹介して、後に続く各国編を読まれる際の参考に供するとともに、関係国支援に関し若干の政策提言を示した。

Takatoshi Ito 伊藤 隆敏

2015年よりコロンビア大学教授 (兼)2016年より政策研究大学院大学特別教授。1973年一橋大学経済学部卒業。1979年ハーバード大学経済学博士課程修了(Ph.D.)。それ以降、日米の大学で教鞭をとる。ミネソタ大学准教授、一橋大学経済研究所教授、東京大学先端科学技術研究センター教授、同大学院経済学研究科教授、同公共政策大学院院長、政策研究大学院大学教授を経て、現在に至る。その間、ハーバード大学ケネディー行政大学院客員教授、国際通貨基金調査局上級審議役、大蔵省副財務官、経済財政諮問会議の民間議員など、を務めた。日本経済学会会長(2004年度)。著書に「不均衡の経済分析-理論と実証-」(1985年、東洋経済新報社、第29回日経経済図書賞)、『Japanese Economy』(1992、MIT Press)、「インフレ目標と金融政策」(2006年、東洋経済)、「東アジア 通貨バスケットの経済分析」(共編著2007年、東洋経済新報社)、「インフレ目標政策」(2013年、日本経済新聞社)、「日本財政『最後の選択』-健全化と成長の両方は成るか-」(2015年、日本経済新聞社)、「公共政策入門 ミクロ経済学的アプローチ」(2017年 東アジア通貨バスケットの経済分析 日本評論社)、Managing Currency Risk(共著、Edward Elger、2018年)、Japanese Economy 2nd edition,(星岳雄と共著、MIT Press, 2020年)

WRHIへの期待

Ito, Takatoshi and Masahiro Yamada (2018). “Did the Reform Fix the London Fix problem?” Journal of International Money and Finance, Volume 80, February: pp. 75-95.

Ito, Takatoshi and Masahiro Yamada (2017). “Puzzles in the Tokyo Fixing in the Forex Market: Order Imbalances and Bank Pricing,” Journal of International Economics, Volume 109, November: pp. 214-234.

Hashimoto, Yuko; Ito, Takatoshi; Ohnishi, Takaaki; Takayasu, Misako; Takayasu, Hideki; and Tsutomu Watanabe, (2010), “Random Walk or a Run—Market 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 Microstructure Analysis of the Foreign Exchange Rate Movements based on Conditional Probability—”, Quantitative Finance, First published:13 December 2010 (iFirst), Hardcopy published as vol. 12, No. 6, June 東アジア通貨バスケットの経済分析 2012: 893-905.

Hashimoto, Yuko and Ito, Takatoshi, (2010), “Effects of Japanese Macroeconomic Announcements on 東アジア通貨バスケットの経済分析 the Dollar/Yen Exchange Rate: High-Resolution Picture,” Journal of the Japanese and International Economies vol. 24, 東アジア通貨バスケットの経東アジア通貨バスケットの経済分析 済分析 2010: 334-354.

Yamada, Kenta; Hideki Takayasu; Takatoshi Ito; and Misako Takayasu, (2009), “Solvable stochastic dealer models for financial markets,” Physical Review-E 051120, vol. 79, Issue 5, 東アジア通貨バスケットの経済分析 May 2009: 12 pages.

Robert F. Engle, Takatoshi Ito, and Wen-Ling Lin, “Meteor Showers or Heat Waves? Heteroskedastic Intra daily volatility in the Foreign Exchange Market” Econometrica, vol. 58, no. 3, May 1990: 525 542.

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編者: 伊藤隆敏 編者: 小川英治 東アジア通貨バスケットの経済分析 この作品のアーティストの関連作をお届け!アーティストメール登録 書籍 出版社:東洋経済新報社
発売日: 2007年8月

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著者/アーティスト

序章 通貨バスケット制とは何か;第1章 東アジアの通貨バスケット構想;第2章 東アジアにおける為替相場政策協調のためのAMUとAMU乖離指標;第3章 通貨バスケットにおける円の位置付け;第4章 人民元改革の実際と意義;第5章 東アジア内の戦略的相互依存と通貨バスケット制度:人民元改革と東アジア通貨の将来;第6章 ASEAN+3への共通通貨バスケット政策の適用;終章 東アジア通貨バスケットの実現に向けて

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No.28
97年アジア通貨危機—東アジア9カ国・地域における背景と影響を分析する
エグゼクティブ・サマリー


    通貨危機のメカニズム
    本報告書では、最初に通貨危機の発生のメカニズムと危機防止政策について基本的な考え方を紹介して、後に続く各国編を読まれる際の参考に供するとともに、関係国支援に関し若干の政策提言を示した。

タイ
震源のタイでは、資産バブルを伴った典型的な通貨危機が発生した。事実上米ドルにペッグした為替レートの維持と高金利政策のもとで外為規制の緩和と金融市場の開放が実施された結果、特に94年以降、経常収支赤字を大幅に上回る510億ドルもの巨額の民間資本が短期間に流入した。対外国民間債務残高は96年末に940億ドル、GDPの50%を超え、同時に外貨準備は96年6月末には398億ドルに達した。巨額の資金の約半分は製造業に向かったが、楽観的な現状・将来予測に基づき収益率の低い事業に多くが投じられ、過剰設備が生み出された。加えて、余剰資金は不動産や株式にも向かい資産・消費バブルをもたらした。

マレーシア
マレーシア通貨当局は、5月中旬タイ・バーツ投機売りのリンギへの波及後2カ月間、ドル売り介入と金利引上げで防衛に努めたが、7月中旬、市場介入を放棄、市場実勢容認に転じた。これは同国の経済ファンダメンタルズは健全で早晩相場は回復するとの判断に基づくものであった。しかし、タイと類似の問題があり、これがリンギ売りを促したが、当初は10%程度の切下げに留まった。高度成長・総投資上昇の背後で、経常収支赤字の拡大と短期資本への依存増大、不動産・株式・威信発揚型メガプロジェクト等への投資の行き過ぎが進行していた。

インドネシア
ルピアは、7月中旬以降4度の売り攻勢を受けた。8月中旬に中銀は買い支えを断念、変動相場制に移行、ルピア相場は10月下旬に7月初比で約32%切り下がった。政府は、当初ドル売りに加え、金利引き上げ、売りオペ・国庫支出遅延、非居住者の先物取引制限等で対抗した。9月には政府等のプロジェクト延期・見直し、歳出削減、関税引き下げ等の輸出支援措置、奢侈品販売税引き上げ等輸入抑制を実施。しかし、ルピア売り圧力に抗しきれず、10月8日政府は IMF・世銀・ADBに金融支援を要請、ようやくルピア相場の動きは安定した。

不動産・インフラへの行き過ぎた投資、相当額の外国資金の投下は、贅沢品消費ブームと並んで、バブル状態を引起こし、ルピア売り圧力を高めた。今回の通貨危機でこれが破綻し、金融不安が懸念されている。華人企業家、プリブミ新富裕層の資本逃避行動も不安定化要因として無関係ではないとみられる。
IMFと合意した「経済健全化3カ年計画」に基づき、政府は、金融機関の健全化、緊縮財政、輸入規制緩和、外資導入・輸出促進のための規制緩和などの改革を実施する、と発表。まず、経営が不健全な16銀行を閉鎖した。通貨危機の打撃は大きく、IMF専務理事は、97、98年の実質成長率は2~3%低下、 7%台回復は99年か2000年と厳しい見通しを示している。

フィリピン 東アジア通貨バスケットの経済分析
ペソの下落は、切り下げ容認と取られた財務長官発言をきっかけに始まった。7月11日に変動制限幅を超え1ドル26.40ペソから29.45ペソに急落、翌週初め以降、中銀は積極的なドル売り介入を放棄、ペソ相場は市場実勢に委ねられた。同時に、金利が引き上げられ、プライムレートは30%前後に上昇した。

シンガポール
シンガポール・ドルはバスケット方式をとるが、事実上米ドルにリンクしてきた。近年米ドルに対し切り上がり、95年以降1.4Sドル前後で安定してきた。シンガポールのファンダメンタルズは良好で、当初通貨危機の影響は軽微であった。しかし、8月中旬1.5Sドル台に突入、通貨当局高官は切り下げ格差是正を容認する発言を行った。さらに、10月上旬の蔵相の類似発言、銀行の不良債権額の公表をきっかけに、1.58Sドル台へと続落したが、当局のSドル大量買い介入で相場は落ち着いている。

香港
香港の金融政策の最重要課題は、83年に変動相場制に替えて採用された米ドルとのペッグ制度を維持することにある。同制度は、香港ドルの発券が100%米ドルの裏付けを条件としており、他のアセアン諸国の実質固定制とは基本的に異なる。

中国
中国元は狭い変動幅を認める管理変動制を採っているが、経済ファンダメンタルズは良好で、資本取引には厳しい規制が残されており、アセアン諸国の通貨切り下げが波及することはないとみられる。しかし、香港株の下落を受けて、国内の外国人向け株式は低迷している。株式化を国有企業改革の突破口として期待している中国政府は、香港ドル防衛のため外貨準備を取り崩して、買い支えに出ていると報じられている。場合によっては国有企業改革を含む経済プログラムの修正が必要になる可能性もある。

台湾
アセアン通貨危機は7月下旬に台湾に波及、台湾元、株価の下落を招いた。さらに、10月上旬に、輸出競争力維持のため通貨当局は、台湾元の切り下げを容認するとの観測が広まり、同29日には30.7元/米ドルと10年ぶりの水準に低下した。

韓国
ウォン相場は9月初旬に1米ドル905.60ウォンと90年3月以来の最安値に下落、以後安値を更新、株価も10月中旬に5年ぶりの最安値を付け、外貨準備は8月末311億ドルと2月からほぼ半減した。これは、国内の金融不安によるもので、アセアン通貨危機波及は二次的要因であった。

今後の展望と課題
通貨危機の影響でアセアン各国の97、98年の成長鈍化は避けられない。しかし、震源のタイで両年とも大幅な落ち込みが見込まれる以外、現状では他の3カ国の減速は軽度に止まると見込まれる。IMF・世銀とも、通貨不安は東南アジアの長期展望を大きく損なうことはないとみている。

東アジア通貨バスケットの経済分析

Kentaro Kawasaki, Ph.D.

1. 「日本の株価におけるノン・ファンダメンタルズバブルの実証分析 ; Blanchard-Quah 分解による分析」(東京経済大学熊本方雄講師・一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著), 大野早苗・小川英治・佐々木百合・高橋豊治共著『環太平洋地域の金融・資本市場』, 高千穂大学総合研究所、2002年3月.

2. 松本和幸編『経済成長と国際収支』 , (東アジア通貨バスケットの経済分析 第2章「為替レートと日本経済」担当. 東京大学先端科学技術研究センター伊藤隆敏教授・ボストン大学大学院薮友良と共著), 日本評論社, 2003年9月.

3. “Toward an Asian Currency Union,” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), Yoon Hyung Kim and Chang-Jae Lee eds., Strengthening Economic Cooperation in Northeast Asia, Korea Institute for International Economic Policy, Seoul, Korea, PP.311-347, Sep. 2004.

4. “Creating a Common Currency Basket for East ASIA: Prospects and Issues,” Charles Harvie, Fukunari Kimura, and Hyun-Hoon, Eds., New East Asian Regionalism, Causes, Progress and Country Perspectives, Chapter 13, pp.283-309, December 2005.

5. “Possibilities for the introduction of a currency 東アジア通貨バスケットの経済分析 basket in East Asia, from an OCA standpoint,” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), 東アジア通貨バスケットの経済分析 Takatoshi Ito (ed.) A Basket Currency for Asia, Chapter 8, Routledge, London, UK, 2007.

6. 伊藤隆敏・小川英治・清水順子編『東アジア通貨バスケットの経済分析』 , (第6章「ASEAN+3への共通通貨バスケット政策の適用」担当. 一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著)東洋経済新報社 2007年7月.

7. 小川英治編『アジアボンドの経済学』 ,(第6章「発行体にとってのアジア債券市場:公的金融による債券発行支援と債券市場整備の展望」担当, 東洋経済新報社, 2009年5月.

8. “East Asian Currency Cooperation,” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), Tamio Nakamura (ed.) East Asian Regionalism from a Legal Perspective, Current features and a vision for the future, Routledge, Oxon U.K. and New York, USA, Chapter 3, pp.43-62, 2009.

9. “Monetary integration in East Asia,” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), Masahisa Fujita, Ikuo Kuroiwa, and Satoru 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 Kumagai (ed.) The Economics of East Asian Integration: A Comprehensive Introduction to Regional Issues, Edward Elgar, Chapter 10, pp. 2011.

1. 「単位根検定による購買力平価説の再検証 ;実質為替レートの定常性」, 『関西学院経済学研究』, 第29 号, 1998年12 東アジア通貨バスケットの経済分析 月.

2. 「アジア通貨圏における OCA 最適規模の測定;G-PPP 理論を用いた最適通貨圏の実証分析」, 『一橋論叢』, 第124 巻, 第6号, 日本評論社, 2000年12月.

3. 「ユーロ登場による国際通貨システムへの影響」 (一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著), 一橋大学商学部Working Paper, No. 63, 2001年5 月.

4. 「 BEER アプローチによるEU 圏ミスアラインメントの潜在性の検証」, 日本経済学会2001 年度秋季大会報告論文, 2001 年8 月

5. 「ラテンアメリカ諸国におけるドル化の進展」 (東京経済大学熊本方雄講師と共著), 2001 年度日本金融学会秋季大会報告論文, 2001年9 月.

6. 「日本の株価における内在的バブルの実証分析」 (東京経済大学熊本方雄講師・一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著), 東アジア通貨バスケットの経済分析 『一橋論叢』, 第126 巻, 第5 号, 2001年11月

7. 「ユーロ圏における最適通貨圏の再検討」 (一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著) , 『一橋論叢』, 第127巻, 第5号, 日本評論社, 2002年5 月

8. ”Possibility to Create a Common Currency Basket for East Asia,” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), JBICI Discussion Paper Series, No.5, May 2003.

9. 「均衡為替相場とミスアラインメント ;P-T Decompositionによる実質為替相場の適正水準」『経営論集』, 第64号, 東洋大学経営学部, 2005年3月.

10. 「東アジアにおける通貨政策の国際協調」 (一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著) , 『計画行政』, 第28巻, 第83号, 日本計画行政学会, 2005年6 月 東アジア通貨バスケットの経済分析

11. 「一般化購買力平価モデルの修正」『経営論集』 , 第66号, 東洋大学経営学部, 2005年11月.

12. 「東アジアにおける共通通貨バスケット導入の可能性」 (一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著) , 小川英治・福田慎一編著『国際金融システムの制度設計』 , 第3章, 2006年3月.

13. 「最適通貨圏理論に基づく通貨バスケット制度の考察」『経営論集』,第 67号,東洋大学経営学部,2006年3月.

14. “What should be weights on the three major currencies for a common currency basket in East Asia?” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), Asian Economic Journal, Vol.20, No.1, PP.75-94, March 2006.

15. 「東アジアにおける共通通貨政策圏」 (一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著),『フィナンシャルレビュー』, 83号, 財務省財総合政策研究所, 2006年5月.

16. 「海外進出日本企業の現地資金調達能力と企業競争力」 ,『経営力創成研究』, No.3, 東洋大学経営力創成研究センター, 2007年3月.

17. “Adopting a common currency basket 東アジア通貨バスケットの経済分析 arrangement into the 'ASEAN plus three',” (with Prof. Eiji Ogawa, Hitotsubashi University), Takatoshi Ito and Andrew K Rose (ed.) International Financial Issues in the Pacific Rim, Chapter 7, 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 NBER, Chicago, USA, 2008. (earlier version of this paper is published from RIETI Discussion paper Series 06-E-028 , )

18. “ Empirical Analysis of Optimum Currency Area in East Asia ,” Economics 東アジア通貨バスケットの経済分析 of East Asian Economic Integration , IDE-JETRO, Chapter 7, March 2008.

19. 「東アジアにおける地域金融協力:現状と展望」 , 『長崎県立大学論集』, No.42, Vol.1, 2008年6月.

20. “ Emerging EUs and their exchange rates ex ante and ex post Sub-prime crisis ,” (With Associate Prof. Keisuke Aoki, The University of Nagasaki) EU 東アジア通貨バスケットの経済分析 Studies Institute Working Paper Series, E-2009-01, May 2009.

21. “ Are the "ASEAN Plus Three" 東アジア通貨バスケットの経済分析 Countries Coming Closer to an OCA? ” RIETI Discussion paper 12-E-032, Research Institute of Economy, 東アジア通貨バスケットの経済分析 Trade, and Industry iAA, Japan, May 2012.

1. 花輪俊哉・小川英治・三隅隆司編『はじめての金融経済』 , (第7章1節「ユーロの登場と円の国際化」担当)東洋経済新報社, 2002年7月.

2. 『 MBAのための国際金融』(一橋大学大学院商学研究科小川英治教授と共著), 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 有斐閣, 2007年8月.

3. 小川英治編『 EUスタディーズ2 経済統合』(第3章「拡大EUにおけるユーロ(最適通貨圏)~ユーロ導入に向けた為替相場政策・金融政策~」担当. 長崎県立大学経済学部青木圭介准教授と共著), 勁草書房, 2007年9月.

4. 小川英治・藤田誠一編著『シリーズ国際金融(第1巻理論編)』(第 8章「経済統合の理論」担当), 有斐閣, 2008年5月.

1. 日本金融学会 2000年度春季大会(中央大学)

2. 日本金融学会 2001年度秋季大会(福島大学)

3. 日本経済学会 2001年度秋季大会(一橋大学)

4. 日本経済学会 2002年度春季大会(小樽商科大学)

5. 日本金融学会第 1回国際金融部会(一橋大学、9.26.2003)

6. 大分 EU協会創立20周年記念シンポジウム「EUROーACU:ユーロの意義とアジア通貨単位の可能性」招待講演(大分大学、6.20.2007)

1. The 3rd Asia Pacific Economic Forum (APEF) International Conference, (Keio University G-SEC, Japan, 9.19-20.2003)

2. Asian Crisis V Conferences, (Kwangon National University, Korea, 12.9-10.2003)

3. Asian Crisis, VI International Conference (University of Tokyo, Japan 8.29-31.2004)

4. The 9th International Convention of the East Asian Economic Association (Chinese University of Hong Kong, Hong Kong, 11.12-15.2004)

5. Korea and the World Economy IV conference (The University of Washington, Seattle, USA 12.10,11,2005)

6. 17th East Asian Seminar on Economics: International Financial Issue around the Pacific-Rim, National Bureau Of Economic Research, Center For Advanced Research In Finance, University Of Tokyo, China Center For 東アジア通貨バスケットの経済分析 Economic Research, Chung-Hua Institution For Economic Research, Hong Kong University Of Science And Technology, Korea Development Institute, Productivity Commission, Australia, Singapore Management University, and Tokyo Center For Economic Research (Mauna Lani Bay Hotel, Kohala Coast, Hawaii, 6.22-24, 2006)

7. Western Economics Association, 81st Annual Conference (Manchester Grand Hyatt Hotel, San-Diego, 6.29-7.3.2006 )

8. Asia Pacific Economic Association, 2006 conference (The University of Washington, Seattle, 7.29-30.2006)

9. European Association for Japanese Study, 2008 Lecce confference (The University of Salent, Lecce, Italy, Sep.21.2008)

11. Korea and the World Economy, X Conference, (at Claremont McKenna College, 12th to 13th August 2011 Claremont, California, United States of America).

12. China and the World Economy, Conference, (at The University of Washington, March 16, 2012, Seattle, Washington, United States of America).

1. アジアボンド研究会、タイ王国現地調査 (10.13-18.2004, Fiscal Policy 東アジア通貨バスケットの経済分析 Research Institute, Ministry of Finance, Bank of Thailand, JBIC Bangkok, Citi Security, Tri Petch 東アジア通貨バスケットの経済分析 Isuzu Sales)

2. アジアボンド研究会、香港現地調査( 11.12.2004, Hong Kong Monetary Authority, BIS HK, Hong Kong China)

3. アジアボンド研究会、タイ王国現地調査 (Bank of Thailand, 2.20-23.2005)

4. 日本学術振興会・中国社会科学院共同プロジェクト、 "Study on Asian Bond Market and Regional Exchange Rate Arrangements"に基づく北京現地調査、2005年9月3-9日

5. "EUIJ: European Union Institute of Japan" 欧州通貨統合、現地調査 in Paris and Frankfurt, 11.02-7,2005.

6. ASEAN事務所委託プロジェクト「ASEAN+3 Research Group」に基づくタイ王国現地調査(バンコク・Bank of Thailand)12.15-19.2005

7. RCAプロジェクト助成、タイ王国現地調査(三菱自動車タイ、AEONクレジット、Citi Corp、Standard Charted Bank, 3.8-10.2006)

8. アジアボンド研究会、バンコク会議参加( Fiscal Policy Research Institute, 3.12-14.2006 )

9. 日本学術振興会・中国社会科学院共同プロジェクト、 "Study on Asian Bond Market and Regional Exchange Rate Arrangements"に基づく北京/上海現地調査、8.28-9.8.2006

10. 一橋大学科研費プロジェクト「欧州統合」、London現地調査(SOAS, University of London, 10.13-15.2006)

11. RIETI, バスケット通貨研究会委嘱調査、マニラ現地調査(OREI/ADB, 10.25-27.2006 )

12. RIETI,東アジア通貨バスケットの経済分析 バスケット通貨研究会委嘱調査、香港現地調査(HKMA, BIS, 11.2-4.2006)

13. アジアボンド研究会・バンコク会議 Fiscal Policy Research Institute, 3.8-10.2007 東アジア通貨バスケットの経済分析 )

14. 一橋大学科研費プロジェクト「欧州統合」、London現地調査(みずほコーポレート銀行London, 2.28-3.4.2007)

1993年 関西学院大学経済学部入学、1997年 関西学院大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程前期課程入学、1999年 関西学院大学大学院経済学研究科博士課程前期課程修了、一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程入学、2002年 一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得、2003年 同大学院単位取得退学、東洋大学経営学部講師、2006年 同大学助教授、2007年 同大学准教授(呼称変更)、2016年 東アジア通貨バスケットの経済分析 教授

• 1997年3月 学士(経済学)
関西学院大学経済学部

• 1999年3月 修士(経済学)
関西学院大学大学院・
経済学研究科博士課程

• 2007年4月 博士(経済学)
一橋大学大学院・
経済学研究科博士課程

• 東アジア通貨バスケットの経済分析 東アジア通貨バスケットの経済分析 財務省委嘱調査「 IMFの直面する国際金融の諸問題に関する検討(IMF研究会)」委員(2000-2002, 2007年)。

• 独立行政法人 経済産業研究所委嘱「バスケット通貨研究会」研究委員( 2004-2005, 2005-2006, 2006-2007, 2008-)

• EU Institute Japan, Joint Resarch Group Member ("The EU Economy" 2005-2008.3),

東アジア通貨バスケットの経済分析

● 伊藤委員報告「アジア通貨危機の政治経済学―アジア通貨危機の分析―」

アジア通貨危機は1つの要因だけでは全体を説明し切れない。共通要因と個別要因とを区別して分析し、この通貨危機が持つ政治経済学的なインプリケーションを把握することが、日本にとっても意義がある。共通要因は3つある。(1)ドルペッグ制を採用していたこと、(2)金融システムが脆弱であったこと、(3)短期資金流入が非常に大きかったこと。個別の要因としては、タイでは資産バブルと投機筋の通貨攻撃、インドネシアでは資本逃避、韓国では投資家(主に銀行)の群集行動があげられる。これからのIMFの役割については、最後の貸し手―レンダー・オブ・ラストリゾートになることと、バンクラプシ-・コート―破産管財人になることの2つの方向がある。今後日本の進むべき道は、IMFにおける発言力を増すこと、及びアジアにおける地域的協力の枠組みを積極的に作っていくことの2つ。そして日本は、資金だけではなく、人やアイデア―アジア通貨基金構想のようなアイデアを、どんどん積極的に打ち出して、アジアの信頼を勝ち得ていくことが重要である。米国と中国とは、何事であれ、筋を通した付き合いをすることが重要である。

● 篠原委員報告「地域協力としてのアジア通貨機構」

アジア通貨危機を踏まえて1997年秋のIMF・世銀総会で話題となったアジア通貨機構(AMO)構想は、米国とIMFの反対に遭って一時頓挫を余儀なくさせられたが、その後も多くのところで多くの人々によって語られてきた。98年の危機の深化と拡散、99年の回復過程の中で、それについての議論は様々に変容し、今やまたその創設に向かって強く真剣な関心が寄せられている。日本はアジア地域を大きく包む重要政治課題としてタイミング良く地域国際政治の場に、強い決意をもって再提出することが期待される。アジア地域の経済復興のために打ち出された新宮沢構想の第2フェーズとも言うべき我が国外貨準備の有効利用は、AMOが創設された折には、そのまま日本と対象の国との間にそれが入り、その活動の一部として継承されるべき性格のもの。日本は、新宮沢構想の実行・実施をもって、AMOにコミットしていることも明らかにすべきである。アジアの国々は、日本の極めて判然とした態度表明(イニシアティブ)を高く評価するであろう。また同様に重要な課題は、本邦におけるアジア学・日本学の一層の、そして早急の深化展開である。我々の市場経済学とも呼ぶべき理論の枠組み作りが必要不可欠である。

● 楠川委員報告「国際金融システムの問題点」

国際金融システムのあり方が議論されてきているが、先ず資本取引の自由化は経済効率化、高度化に貢献するものの、アジア危機を契機に、特に短期資本規制は止むを得ないとの現実論が強くなっている。しかし規制する場合も自由化を展望できるように努力すべきである。また先進国を含めて、国際資本市場としての各市場のルールの整備、統一化、新しい金融環境に対応した金融監督などは必要である。またアジアについては、地域情報の収集、分析、為替市場や貿易動向の監視、各国の経済政策への助言、緊急融資など、IMFの補完という形で地域密着の仕事を行う地域的な組織が必要であろう。さらに金融システム安定化のためには、新興国の場合には銀行制度、法律・司法制度、行政哲学、人的基盤などのいわゆるマーケットのインフラが出来上がっていないという欠点がある。先進国側も国際的なスタンダードに基づいて新興国のインフラ整備や人材要請に協力を行うべきである。途上国の債務不履行問題について付言すれば、借り手は身の程以上に借りず、出来れば自国通貨建ての長期資本市場を育成していくことが望まれ、また貸し手は貸し手責任を認識した上で借り手の状況の把握に努めるべきであろう。

● 小川委員報告「為替制度・国際通貨体制の問題点」

東アジア諸国で発生した通貨危機は金融の脆弱性に起因するものである。またこの通貨危機は金融のグローバリズムが進展した現在では、投資家や投機家の行動を通じた伝染効果の影響が大きくなっている。アジア通貨危機の教訓としては貿易構造が米国一国に集中していないにもかかわらず、ドルペッグを採用していた危険性が認識されている。ドルペッグを採用した理由としては、円高ドル安トレンドで日本企業との国際的な価格競争力を有利にすることや貿易取引の決済がドル建てであること、また円安ドル高局面でドル建て債務を膨らませないことが挙げられる。特に後の2つの理由を考えた場合には、円の国際化を推進することで、ドルペッグより適切な為替相場制度を採用する環境を作り出すことができる。どのような為替相場制度が適切なのかに関して言えば、為替相場の変動に起因する貿易収支の変動を最小化することを目標とすれば、ドルとともに円を含む通貨バスケットをターゲットとする為替相場政策が最適である。さらには各国が採用する為替相場制度の相互に及ぼす影響を考えて、国際通貨協調を行うことが必要である。

● 浦田委員報告「試練にさらされる世界貿易体制」

貿易・投資の自由化を目指す国際機関である世界貿易機関(WTO)はシアトルでの閣僚会議が決裂し、時期ラウンドの開始は大幅に遅れる。その背景には貿易・投資の自由化は世界貿易を拡大させる一方で、先進諸国と発展途上国との対立をも生んでいるという事情がある。WTOでは企業活動の急速なグローバル化に伴い、投資と競争のルールの整備、環境や労働問題などの新しい分野も議論に上ってきている。また経済のグローバル化の進展の中でリージョナリゼーションの動きも活発化しており、二国間・多国間の自由貿易協定も急増している。こうした中、日本としては幼年期にあるWTOの抱える課題に対して、積極的な解決策を提示する一方で、片務的自由化、二国間、地域間、グローバルでの自由化という複数のチャンネルを効果的に使い分けて、世界貿易体制の整備と円滑な運営に貢献していかねばならない。WTOへの貢献では、国際機関や国際舞台で活躍できる人材を育てる教育システムの構築、事務局へのそうした人材の供給、広報活動などを通じたWTOへの関心の醸成などが指摘できよう。

● 鷲尾委員報告「グローバル市場のガバナンスと社会的側面の強化」

アジア金融危機を機にグローバル市場に対する反発が強まってきたが、その背景には国家間および国内の富裕層と貧困層との格差が増大していることがある。こうしたグローバル市場の負の側面の解決には経済の成長だけではなく、社会的側面を強化していくことである。そのためには社会的セーフティネットの強化と中核的労働基準の遵守が挙げられる。前者は単に弱者救済ではなく、集団的社会契約や所得再配分という点からも、公共政策と民間契約両方のセクターにおいて促進していく必要がある。また後者は具体的には団結権、団体交渉権、強制労働の廃止、差別の撤廃、児童労働の撲滅であるが、あとの三分野は労働組合権が担保する分野である。労働組合はまた、グローバル市場において経済成長と社会的安定を確保するためには、通貨の安定と投機的資本移動の制御の必要性を指摘してきた。そしてその具体的な取り組みとしては、国際金融市場規制監督委員会の設置、コーポレートガバナンスに関する指針、多国籍企業の行動監視、アジア・パートナーシップ基金の設置などが挙げられる。さらにシアトルでのWTO閣僚理事会の決裂は市場が統合されるにつれ、国家間、地域間の利害調整や紛争仲裁が難しくなってきたことのあらわれであり、この調整には労働組合を協議に加えた政労使の三者構成主義が解決の鍵を握っている。

● 長谷川委員報告「アセアンにおける自動車産業の状況と課題について」

通貨危機によってアセアン各国の自動車生産・販売は極端に落ち込み、現地会社は過剰雇用、過剰設備、過剰借入に陥り、この苦境を切り抜けるために、減産体制による在庫の圧縮、現地会社の増資、日本から現地会社への自動車部品の輸出決済条件の変更、投資の繰り延べ、原価低減、経費節減などを行ってきた。99年に入り、アセアンの市場は回復の兆しをみせはじめたが、2000年からはWTOルールに基づく自動車市場の自由化がなされねばならず、状況変化を踏まえた事業戦略を展開することが重要な課題となっている。また欧米メーカーのアセアン市場への再進出もはじまるなど、競争は益々厳しくなっている。アセアンが今後順調に経済回復していくためには日本からの支援が重要な鍵を握る。実効ある支援を行うためには、資金支援のみではなく、投資型の支援(資金不足企業の株式買い取り、増資対応、負債買い取りなど)が求められている。さらには企業経営の指導に当たるような人材派遣も有用なものである。また安定した事業環境の構築には為替の安定化が不可欠であり、技術学校などの専門教育機関設立の自由化も望まれる。さらには現地の債券市場の育成、日本市場の活用促進などにも日本政府の支援を期待したい。

● 田中委員報告「アジア太平洋の安全保障をめぐる諸情勢」

アジア太平洋地域の具体的な安全保障問題としては、朝鮮半島の問題と台湾海峡を巡る問題が挙げられる。前者は事態は安定化の方向に向かっていると言っても、国内経済状況は破綻したままで、いつ激変が起こるか予想することは困難である。後者は台湾総統選挙後の中台関係がどうなるかであるが、本質的な不安定性は解消していない。これらに加えて中国の情勢全般も懸念材料として指摘できる。このようにアジア・太平洋の安全保障環境は米中関係がやや不安定になっているなど、まだまだ不安定なところがあるが、しかし、主要国である日・米・中・ロの関係が一進一退であるものの、それほど悪くなってきたわけではないという救いがある。またこの地域の安全保障全般の構築、日本の外交において東アジアをどういうふうに構想するかという問題では、地域的枠組みに日本がどのような内実を付け加えていくかということ、東アジアの枠組みをどのように建設的に作り上げていくかが課題となろう。その枠組みには90年代後半になってできてきたAPECやARFの中の東アジア部分を強調する枠組みであるASEMやASEANプラス3(日・中・韓)が考えられよう。

● 山澤委員報告「日韓経済関係の緊密化に向けて」

日韓関係は90年代にはかつてに比べて疎遠になったが、アジア危機、日本の長期不況を契機に、回復プロセスの中で日韓関係見直しの気運が双方で高まった。金大中大統領の「21世紀の新しいパートナーシップ構築」提案に応じて、小渕総理の「日韓経済アジェンダ21」で日韓関係強化を提案されており、そこには投資促進、租税条約、基準認証、知的所有権、WTO次期交渉の5分野に亘る協力が含まれている。加えて日韓FTAは双方にとって初めての試みである。その効果としては、関税及び非関税措置撤廃による相互貿易の拡大、日韓企業の競争の促進、日韓企業提携や欧米企業の参加による企業構造の変化とそれによる日韓両国の経済活性化や貿易の増加などが挙げられる。日韓FTAは自由化のみならず広範な経済協力を含むため、その中核となるFTAの制度的枠組みが必要になってくる。このため個別交渉と並行してFTA交渉も進められていくことになろう。また日韓FTAはアジア・太平洋諸国・地域経済の活性化に直接貢献すること、GATT/WTOのFTAの資格条件とも整合的に実施されることが第三国に伝えられなければならない。さらに日韓関係緊密化には通貨・金融面での協力も不可欠であり、また日韓の金融・資本市場の統合化努力も必要であろう。

● 岡本委員報告「アジア太平洋地域の安定化と日本」

今後のアジアの安定化を考える上ではアメリカの今後の行動の方向性が決定的に重要である。アメリカン・スタンダードがデファクトのグローバル・スタンダードとなる中で、アジアは一層アメリカに傾斜しているが、冷戦後のアメリカはディシプリンが失われているのではないかと懸念される。特にクリントン政権のアジア外交は、国内政治の反映としての状況対応的な政策になっていると見受けられる。特に日本に影響が大きいのは米中関係であり、そこではアメリカと日米安保体制に対する本質的なコミットメントについて再協議する必要もあろう。こうした状況では、日本とアジア諸国の関係がアメリカとその国の従属変数になってしまうおそれが出てくる。いかにしてそのような振れに影響されないアジア政策を取るかが日本の今後の課題である。経済面でも日本にはアジア経済に対する独自のアプローチがあってよい。注意すべきは日本がアジアと欧米の架け橋になるという構図が成立しにくくなっていることである。日本自身が真のアジアの一員としてのアイデンティティを確立し、アジアの共通意識形成の輪の中に入っていくことが先決で、その意味では例えば日韓のパートナーシップ、経済的な盟友関係の構築は重要な枠組みとなろう。

● 下村委員報告「『戦略的ガバナンス要因』の提案」

途上国の経済開発への支援について、最近の動きの中で特に重要なのは、「貧困問題の一層の重視」と「経済改革から政治改革への重点移行」の2点である。前者は貧困の深刻化をもたらした最大の背景要因に触れないという問題を抱え、グローバリゼーションの負の影響から途上国をいかに守るかとの視点が必要である。後者の背景には冷戦の終結、構造調整アプローチの限界の露呈、ドナー諸国による援助効果への要求の強まりなどが挙げられる。ここに政治的変数と援助供与をリンクさせる「政治的コンディショナリティー」が登場し、世銀やIMFも政治的変数の中のグッド・ガバナンス重視の傾向を強めている。適切な経済運営を行えるようなガバナンスは必要であるが、ドナー主導の政治改革というコンセプト自体に問題があり、グッド・ガバナンスの概念にも再考が必要である。途上国に有意義なのは、理想的ガバナンス条件の提示ではなく、具体的な提言であり、「持続的発展の始動の鍵を握るガバナンス要件」としての「戦略的ガバナンス要因」の特定がもっとも重要であろう。戦略的ガバナンス要因は、試案では、民間投資が経済成長のエンジンであること、公的部門の能力が重要であること、権力は必ず腐敗すること、との三つの原点に立ったものとなろう。

● 原委員報告「アジアと日本:21世紀の課題」

東アジア経済危機を契機として、西欧は東アジアのクローニー型政治経済システムの大改造を要求した。しかしアジア諸国が直面している問題は西欧文明対アジア文明との対立ではない。一切の倫理的価値を相対化させ放棄させながら激しい速度で拡大し続けるグローバル資本主義と、各地域の分化の保持との対立という、世界規模での対立が問題なのである。日本ももはや「先進国日本対途上国アジア」という発展段階論的二分法だけでは、アジア地域と接することはできなくなっている。そしてグローバル資本主義と伝統の保持との対立という点では、日本も近隣のアジア諸国と全く同じ問題を抱えている。この点で、日本はアジア諸国の抱える問題を的確に理解し、効果的な協調のあり方を模索する必要がある。また日本は非西欧文明圏の中で最も早く近代化を達成させた特異な文明圏である。日本は過去の経験を素直に振り返り、近代文明と日本の伝統との関連について明確な理解を打ち出し、自らの位置を認識した上で世界ヴィジョンを作り上げることが課題であろう。

● 小松特別委員報告「インドネシア経済の現状」

今回の危機の特徴は、通常の通貨・金融危機から国際的信認を失ったコンフィデンスクライシスへと続き、ここで華僑や資本の大規模な逃避が発生し、社会政治危機となり、社会システムが崩壊してしまったことである。もう1つの特徴がクローニーイズムに対する批判であるが、現在でもその相互扶助的社会システムは変わっておらず、インドネシアのクローニーイズムの改善は疑問とされる。またインドネシア経済の中心を担っているのは華僑であり、華僑がコンフィデンスを取り戻し、インドネシア経済を立て直そうとしなければ、経済の再建はおぼつかない。そのための重要なポイントはコンフィデンスを取り戻すようなセキュリティの確保である。今後の課題としては、援助する側は、国際収支支援と共に財政支援を継続させていかねばならないことが挙げられる。これからの援助はプロジェクトや開発支出援助ではなく、利払い、すなわち経常支出を援助する必要が出てこよう。また対外債務については、デット・リダクションの要請が出てくる可能性がある。いずれにせよ支援する側はインドネシア人が何を望んでいるかを考えねばならず、それを離れては、どのような政策も支援も成功しない。そして彼等の望みは民主的政治と公平な経済であろう。後者にはテクノクラティックな経済政策運営の継続が重要な課題である。

● 深川特別委員報告「韓国の構造調整2年の評価と残された課題」

最近の韓国の成長回帰は(1)流動性回復、(2)デフレ回避、(3)ベンチャー企業の叢生などによる新成長基盤の明確化などを伴った力強さを持っている。2年あまりの間に迅速に金融・企業部門の構造調整を行い、市場の信頼を勝ち得てきたことで外資は順調に流入してきた。ただし、金融部門ではノンバンクの調整はまだ不十分であり、企業部門もワークアウトがほぼ終了し、大宇グループをめぐる危機が完全に終息するまでメドが着いたとは言えない。2000年で為替管理自由化が実現するため、今後は不安点な北朝鮮情勢を抱えながら大量の資本流入や流出に耐えてマクロ経済運営を行わなければならず、(1)財政・金融・為替管理政策の効率的運用、(2)金融監督能力の強化と市場の自律的機能強化、(3)「財閥」に対するガバナンスの確立などが課題となっている。韓国の急速な自由化は日本にとって貿易・人的交流に加えて資本交流の可能性拡大を意味する。韓国は投資対象として、また円の国際化にとっても重要なパートナーと目され、政策対話により安定した交流環境の整備や、地域協力の強化に向けた協力推進などが望まれる。

● 竹中委員報告「アジア太平洋経済の持続可能性:経済危機の克服と日本の役割」

アジア危機の背景にある共通した要因としては、ドル・ペッグ制の採用、巨額の短期資金流入、国内の金融システムの脆弱性が挙げられる。さらに危機を悪化させた追加的要因には、民間部門の過大な投資、一般企業の借入が大きなウェイトを占めていたこと、相互依存性の高いアジアにおいて合成の誤謬が作用したことが指摘できよう。危機後、アジア経済はV字型の急回復を記録したが、これは需要側の要因によるものであり、総じて、経済の供給サイドに関する構造的な脆弱さは依然として保持されたままである。その需要拡大要因としては、財政拡大政策に支えられた内需の成長と外需が挙げられ、外需を支えたのがアメリカの経常収支赤字と日本の財政赤字である。このようにアジア経済の回復は特殊な需要要因によるものであり、持続可能なものではない。今後の課題はグローバル・キャピタリズムが抱える基本問題(急激な短期の資本移動)の側面を確認し、これを克服するための複合的な危機管理を考えることであろう。基本的には危機が生じた際の政策枠組みと、できるだけ危機を生じさせない枠組みを区別して準備することが必要で、前者についてはアジア通貨基金のような地域通貨基金の役割は検討されるべき課題である。後者では長期的にすべての資本移動に課税するトービン・タックスの導入を考える必要もあろう。

● 小島委員報告「発展途上国の経済危機再発防止と経済発展のための日本の貢献」

今回のアジア危機はタイを起点として始まり、その後各国に波及、伝染していったのだが、その原因は多様であり、アジアの国毎の原因、アジア諸国の共通の原因、グローバルなシステム上の原因が重なって拡大し、深刻化した。したがって危機再発防止策も多面的なものとなる。途上国自体の危機防止策としては、経済のファンダメンタルズの健全性維持、弾力的為替相場政策の遂行、対外外貨建て債務比率の重視や短期資本の監視、直接投資を安定的に誘致するための制度的な体制作り、金融システムやコーポレート・ガバナンスの強化、情報開示制度の充実などが必要である。また地域としては、地域的な金融協力機構の構築や地域資本市場の育成が有効であろう。さらにグローバルには、IMF自体の政策のあり方を見直すことが課題となる。こうした中で、日本のアジア危機再発防止に対する貢献としては、日本自体が健全な経済を回復し、アジア諸国に経済大国としての新しいモデルと長期的に頼りになる市場を提供すること、ODAの適正な活用と知的貢献・協力ができる日本人の人材の育成、地域的な金融協力機構の構築や国際的な制度改革・制度作り(アーキテクチャー作り)への積極的な参加などが考えられよう。

● 茂木委員報告「経済学への疑問と期待」

経済学の基本的使命は「経国済民」であり、「人類社会をよりよく運営するための理論的枠組みを提供し、政策提言・立案に役立つこと」である。また人類社会の望ましい姿は、「全人類が、平和で、出来るだけ快適な生活を、永続的に送れること」と規定できよう。その実現の基本的な課題は、「地球環境問題への対処」と「全地球的安全保障体制の確立」である。環境問題の本質は、人間の活動から生ずる地球への負荷が、地球のキャパシティを越えつつあることであろうが、経済学はこの問題をほとんど考えていない。将来的には人口増加とともに環境問題は加速度的に深刻化し、これが争いに繋がっていくことも考えられる。したがって地球環境問題への対処と全地球的安全保障体制の確立とは、人類にとって不可分の重要課題なのであり、経済学は正面からこれらの問題を取り上げるべきである。思うに開発途上国の経済発展に協力しつつ、人口問題についての認識を深め、環境負荷を低下させる様々な技術開発を強力に推進することが、いわゆるサステイナブル・ディベロプメントを可能にする循環型社会確立の唯一の方策であろう。そのために先ず必要なことは、問題の本質を一人でも多くの人に認識してもらうことと考える。

● 吉冨委員報告「アジア危機:眞の構造問題と国際金融システム」

アジア危機の特質は資本収支危機であることで、その内容は大量の短資が流入し、しかもマチュリティとカレンシーのダブル・ミスマッチを内包していたことである。その結果、国際流動性危機と国内銀行危機のツイン・クライシスが発生した。しかしこの対策には国内の金融政策一つしかなく、前者への対処として使ったため、後者はさらに悪化させられることになった。それで内需が大激減するが、国際収支の調整過程を通じて、回復の端緒を掴んでいく。このアジア経済の眞の構造問題はfamily business(財閥)のコーポレート・ガバナンスであり、革命的なことができなければ改革されない。アジア危機はまた国際金融の制度上の問題も露呈させた。国際流動性の危機ではIMFを補完するリージョナル・マネタリー・ファンド(Asian Monetary Fundのようなもの)が必要となろう。そしてAMFにとって重要なのは、リージョナル・モニタリングであり、ピア・プレッシャーをかけていく仕組みも必要である。緊急融資を受けるコンディショナリティのあり方も考えねばならない。またリージョナル・モニタリングには的確な国際金融に関する情報が必要で、これを持っているのはインベストメント・バンカーである。しかし日本はこの分野が弱く、その発達を阻害する銀行のコーポレート・ガバナンスが日本の最大の問題点である。

● 近藤委員報告「世界経済の安定と持続的成長を求めて」

アジア危機の背景にはマクロ政策上の歪みがあり、具体的には、自由化の順序付け(シークエンス)の問題、自由化と国内システム整備のインバランスの問題、為替政策の歪みの問題の3点を指摘できよう。同時にアジア危機は国際システム上の問題点の所在をも明らかにした。それはモニタリング・システム上の欠陥、適切なセラピー(政策プログラム)を出すシステムと能力上の欠陥、為替の不安定性の3つに分類されるものである。途上国のミクロ経済構造上の諸問題については是正の動きが出ているが、それを確かなものとし、透明性の高い国内経済システム作りに向けて構造改革が思い切って促進されることを期待したい。また日本に対する政策上のインプリケーションとしては、内需主導型経済に向けた日本経済の構造改革の必要性、開発支援の質的強化の必要性、国際システムの強化に向けた日本によるイニシアティブの必要性が挙げられる。さらに沖縄サミットを念頭において日本が具体的にイニシアティブを発揮すべき短期的課題としては、WTOの強化と次期ラウンドの早期立ち上げ、IMFの強化、為替の安定などであり、これらにつき具体的構想を積極的に提示し、合意形成に向けて政治的リーダーシップを発揮することが期待される。

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